コンビニで傘代をケチったがゆえに、ずぶ濡れになって風邪をひいてしまい、さっきまで布団の中で落語を聞いていました。
まてんろうです。
いやぁ、バカな話ですが、まぁ、おかげで久しぶりにゆっくり落語が聞けました。
立川志の輔さんの落語に「バールのようなもの」というのがあります。
もとは清水義範さんの短編小説なんだそうですが、とにかくよく出来た話で、まてんろうの大好きな噺の一つです。
その中で「バールのようなもの」は「バールではない」という説明が出てきます。
「肉のようなもの」が「肉でない」ように「バールのようなもの」は「バールではない」ということなのですが、似たような話でずっと疑問に思っていることがあります。
それは「○○風」というヤツです。
まず、「バールのようなもの」と同じ理屈なのですが、「○○風」は「○○」ではありません。
例えば「手作り風」とあれば、それは「手作り」ではないですよね?
ここまでは誰に話しても納得してもらえます。
問題はここからで、特に料理の名前に多いのですが、「○○風」の後がないことに、まてんろうは非常に違和感を覚えるのです。
どういうことかと言いますと、例えば、「鶏肉と春野菜のシチリア風」という料理があったとします(例なので本当にあるのかどうかわかりません)。
これ、まてんろうとしては、「鶏肉と春野菜のシチリア風」の「何」なの…と思うわけです。
ゆっくり順を追って考えるので、ついてきて下さいね(笑)
この例の場合、「鶏肉と春野菜のシチリア風」は「鶏肉と春野菜のシチリア」ではないことはわかります。
さっきの「手作り風」は「手作り」ではないのと同じですね。
しかし、よく考えてみて下さい「シチリア」は地名ですよね。
そもそも「鶏肉と春野菜のシチリア」って何?…ってなりませんか?(笑)
はいはい、わかっています、ここには「鶏肉と春野菜のシチリア『で作られていそうな料理』」という意味が含まれていると、皆さんおっしゃいます。
それくらいはまてんろうにもわかります、はい。
では、今度は、「風」に注目してみましょう。
これは先程の「手作り風」の例でもわかる通り、「風」自体に「〜のような」という意味があると考えられます。
まぁ、ここは異論ないですよね?
そして最後に「風」の後に注目してみましょう。
おそらく、「鶏肉と春野菜のシチリア風」は、正確には、「鶏肉と春野菜のシチリア風『の料理』」ということではないかと思われます。
今回は例のところで「という料理があったとします」と確かに言っています。
これで料理ではなく「鶏肉と春野菜のシチリア風『(の)トイレ』」とか「鶏肉と春野菜のシチリア風『(の)アイドル歌手』」とかだと、飛躍しすぎていて誰も理解できないですよね。
もしかすると本当は「鶏肉と春野菜のシチリア風『(の)パスタ』」かもしれないし、「鶏肉と春野菜のシチリア風『(の)シチュー』」かもしれません。
でも少なくとも「鶏肉と春野菜のシチリア風『(の)料理』」と広めにとっておけば、外さないのではないかと思います。
これらを総合すると、「鶏肉と春野菜のシチリア風」の本来の意味は、「鶏肉と春野菜のシチリア『で作られていそうな料理』『のような』『料理』」ということになります。
ちょっとクドいですが、意味はわかります。
しかし、そうだとすれば、変に略さず、最初から「鶏肉と春野菜のシチリア風パスタ」とか「鶏肉と春野菜のシチリア風シチュー」とか言えばいいのにと思うわけです(笑)
だって、この最後を略したが故に、「鶏肉と春野菜のシチリア風」の「何」なのよ!ってなって、先程順番にみていったような解釈をしなければならず、しかもその結果がクドい上にイマイチなカンジになっているわけです。
「パスタとかシチューとかいちいち言わなくてもわかるよね?」というよくわからない料理好きの間だけで通用する特権意識(?)なのかもしれませんが、これ、わざわざ「風」で止める意味あるんでしょうか?
というか、これが気になっているのは、もしかしてまてんろうだけなのでしょうか?(笑)
ちなみに、日本での話なのですが、1971年に施行された「ビスケット類の表示に関する公正競争規約」によって、クッキーは下記のように定義されてるんだそうです。
手作り風の外観を有し、糖分、脂肪分の合計が重量百分比で40%以上のもので、嗜好に応じ、卵、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜などにより製品の特徴づけをおこなって風味よく焼き上げたもの。
こんな法令の中にも「手作り風」が…
だとしたら、「『手作りの』クッキー」は「手作り風の外観を有し、糖分、脂肪分の合計が重量百分比で40%以上のもので、嗜好に応じ、卵、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜などにより製品の特徴づけをおこなって風味よく焼き上げたもの『を手作りしたもの』」ということになるんですかね?(笑)
どなたか、まてんろうに教えて下さい。
「納得のいく説明風」を。